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泣き虫てんぐの3倍パンチ

誰のことも傷つけない透明人間になりたい

Tonchi

 

九回裏二死満塁逆転のチャンス。

 

野球をよく知らないので

それがどれだけ奇跡的な状況か

よく分かってないのだけれど、

例えるならまあそんな感じ。

 

つまり最悪でしかない。

そんなチャンスなんていらない。

 

送りバントを成功させて

次の人に仕事を繋ぐ程度の、

いや送りバントもそれはそれで

きっと大事な仕事なんだろうけど、

九回裏二死満塁逆転のチャンス

という状況を作った人の一人程度の

それくらいの感じでちょうどなのに…

 

ちなみに野球の話ではありません。

何となく思い付いたので

言ってみたかっただけです。

今日はわたくし、

とある小坊主の話です。

よければお付きあいを。

 

細かいことを説明するのは面倒なので

色々がっつり端折りますが、

お殿様からの挑戦状が届きまして。

軽い赤紙みたいな感じです。

 

どうやらテレビの取材も入るみたい。

成り上がり希望の方からすると

すげえじゃん!超チャンスじゃん!

って感じなのでしょうが、

わたくしにとっては

苦痛と言うか最悪と言うか、

あーもう!

行きたくない!行きたくない!

行きたくない!行きたくない!

程度の連呼じゃ足りないくらい

とにかく行きたくないのです。

プレッシャーはんぱねぇ…。

 

でもまぁ行くよ、行くけどさ。

だって和尚さんに叱られるし

お殿様の気分害したら殺されそうだし。

 

お城の前の橋に差し掛かったとき、

テレビカメラとたくさんのスタッフが

わたくしの到着を待っていました。

 

うわぁ、きたこれカメラ無理~!

いつになっても慣れる気しないよ~!

 

極力カメラを見ないように

(だってカメラ目線恥ずかしいでしょ?)

橋を渡ろうとすると、

そこには看板が立てられていました。

 

このはしわたるべからず

 

あぁ、今日のはこれかぁと思いました。

少し考えたけど、無視して渡りました。

どよめくテレビスタッフ。

だってこの橋渡んないと

お城に行けないじゃん…。

カメラに撮られていることを意識して

ちょっとだけしゃんとした姿勢で

真ん中を堂々と歩きました。

わたくしめのせめてもの

精一杯の見栄でございます。

 

お城に到着するなり、お殿様に

おい!一休!と怒鳴られました。

お前は看板を読まなかったのか!?

 

緊迫する城内。

お殿様の顔をアップで抑えるカメラ。

もう一台はわたくしを撮っている…。

 

いや、でもあの橋を渡らな…

 

その瞬間お殿様がくい気味で、

なに!?

はしをわたるなと書いてあったから

端を渡らず真ん中を渡ったと申すか!?

一休すげえ!お前まじやばい!

お前ほんと超天才!超とんち!

と唾を飛ばしながら大絶叫。

 

拍手に包まれる城内。

わたくしの肩を嬉しそうに叩くお殿様。

苦笑いのわたくし。

あぁ、もう帰りたい。

また知名度が上がってしまう予感。

こんなにも無能なただの小坊主なのに

何がまかり間違ってこんなことに…。

 

はいおっけー!

と撮影をやめるスタッフ。

お殿様と監督らしき人が話し始める。

その瞬間目を盗んで逃げるように

こっそりとお城をあとにしました。

 

今日の様子については

エドテレビの「深いいとんち」内で

多分来月くらいに放送だそうです。

また滑舌がどうとか表情がどうとか

和尚さんに怒られるんだろうなぁ。

嫌だなぁ。

 

早くお寺に戻ってシャワー浴びたい。

お団子食べてゴロゴロしたい。

 

 

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